息詰まる攻防戦。
決め手になったのは、
レアル・マドリードの攻撃陣の“効率性”だった。
バルサはボールポゼションで優位に立ち、
相手陣内に攻め込むも、
がっちりと引いて守るレアル・マドリードの
ディフェンス陣をなかなか崩すことが出来なかった。
メッシの不在が重くのしかかる中、
それでも懸命に攻撃の糸口を模索するも、
決定機を生み出すことが出来ない。
そんな中、素早い速攻からバプティスタに
先制ゴールを許してしまう。
その後のバルサは終始走り回り、
同点ゴールを目指して戦ったものの、
それらの努力が実ることは無かった。
終盤、ボージャンがピッチに入ると
同時に怒涛の攻撃を繰り出すも、
同点ゴールは最後まで遠かった。
キックオフ直前にカンプノウを彩った
素晴らしいモザイクが形成された後、
激しいテンションと共にゲームはスタートした。
両チームとも激しくプレッシャーを掛け合い、
ボール目掛けて熱い攻防が繰り広げられた。
この日先発したロナウジーニョとデコを中心に、
バルサが主導権を握っていく。
しかしながら最初のチャンスは
レアル・マドリードが掴んだ。
前半11分、フリーキックをヘッドで合わせたペペのシュートは、
運良くバルデスの正面に収まった。
両チームともポジショニング良く組織され、
相手に殆どスペースを与えない陣形は、
リーガでも失点の少ないもの同士の戦いに相応しい、
引き締まった試合展開となった。
前半30分を過ぎた頃、
バルサの攻撃陣が何度かのチャンスを作り出す。
エトーが、イニエスタがシュートチャンスを掴むも、
カシージャスに防がれてしまう。
続いてチャビがペナルティーエリアの外から
ミドルシュートを放つも、
これもカシージャスの守備範囲だった。
続いてのイニエスタのスルーパスを
ロナウジーニョがシュートを放つなど、
バルサにとって最も良い時間帯が続いた。
しかしながら、そんな中、
素早い速攻からファン・ニステルローイとの
コンビネーションで抜け出したバプティスタが、
一瞬の隙を突いてシュートを決め、
35分先制点を奪うことに成功する。
レアル・マドリードにとっての
2度目のチャンスがゴールとなった事実は、
バルサ陣営に大きなダメージとなった。
後半に入ると、バルサは一刻も早く同点に追いつこうと、
果敢に攻め立てた。
53分にはイニエスタがシュートを放つも、
再びカシージャスが前に立ちはだかった。
前掛かりになるバルサに対し、
レアル・マドリードはロビーニョや
ファン・ニステルローイを中心に
素早いカウンターアタックを仕掛け、
時折バルサ守備陣を脅かした。
時間の経過と共に、
バルサはバランスを崩してでも攻めに転じて行く。
しかしながら、レアル・マドリードの
センターバックコンビの牙城をなかなか崩すことが出来ない。
フランク・ライカールト監督は
デコに代えてジオバンニを投入するも、
リズムが上がらず、
依然としてレアル・マドリードを脅かすような
シーンを築くことが出来なかった。
しかしながら、ボージャンを投入した時点から、
バルサの猛攻が始まる。
まずはそのボージャンがペナルティーエリア付近から
ミドルシュートを放つと、
カシージャスはパンチングでコーナーに逃れるのが精一杯だった。
このプレーで観客も沸き、
最後の盛り上がりを見せていく。
そして、エトーがゴール正面からこぼれ球をシュートしたシーンは、
ペペの体に当たってゴールならず。
さらには、セットプレーのこぼれ球を至近距離から
トゥーレ・ヤヤがボレーシュートを放つも、枠には飛ばなかった。
こうして最後の最後まで果敢に攻め込んだバルサだったが、
今回のカンプノウでは終了間際のミラクルが起こることは無かった。
リーガではおよそ2年近く不敗神話を築いていた
カンプノウの牙城は破られ、
バルサは首位のレアル・マドリードに
勝ち点7差でクリスマスを迎えることとなった。
<出場選手>
GK 1 バルデス
DF 5 プジョル(77分 11 ザンブロッタ)
4 マルケス
3 ミリート
22 アビダル
MF 24 トゥーレ
6 チャビ(81分 27 ボージャン)
20 デコ(56分 17 ジオバンニ)
FW 8 イニエスタ
9 エトー
10 ロナウジーニョ
SUB GK 25 ジョルケラ
DF 21 テュラム
MF 7 グジョンセン
FW 14 アンリ
<警告>
26分 プジョル
67分 ミリート
【
ガブリエル・ミリート】
「失点をしてから、自分達のペースに引き戻すことが出来なかった。
後半は前掛かりになる自分達に対し、
相手はカウンターのチャンスを狙っていた。
相手の守備陣形は非常にバランスが取れていて、
自分達の攻撃陣がなかなか良い形を作ることが出来なかった。
この敗戦はとても痛い。
だけど、タイトルを最後に勝ち取るようなチームは、
何かしらの困難を乗り越えなければならない。
勝ち点を7つ離されたけれど、
まだ多くのリーガが残っているし、
希望を失うわけにはいかない。
チームは良い流れでここまで来ていたし、
ホームでは全勝中だっただけに、この結果は残念だ。
ピッチ上で選手達は全力を尽くしたが、
自分達の本来の良いフットボールを見せることは
出来なかったかもしれない。
だけど、全てを出し切ったという意味では、落ち着いている。
レアル・マドリードは予想していた通りの戦い方をしてきた。
後方でしっかりと守備をして、
スピードのある選手を利用してカウンターアタックを狙ってきた。」
【
チャビ・エルナンデス】
「この結果には落胆している。
最低でも引き分けには出来たと思う。
両チームとも決して素晴らしい試合はしていなかった。
僕らは掴んだチャンスを一つもものにすることが出来なかった。
相手はフィジカル的な仕事を惜しみなく続けていた。
その為、僕らは思うようなプレーが出来ず、
チャンスをなかなか構築することが出来なかった。
それでも、チャンスが続いた時間帯があったけど、
そこで決めきれず、
相手の粘り強いディフェンスに阻まれてしまった。
まだリーガは残っている。
引き続き努力を続けて、状況をひっくり返す為に、
全力を尽くさなければいけない。
2008年に向け、もう一度エネルギーを蓄えて、
タイトル奪取に向けて戦いたい。」
【
アンドレス・イニエスタ】
「勝ち点1差にするチャンスだっただけに、とても残念だ。
でも、勝ち点7差はまだひっくり返すことが出来る差だ。
新しい年に向け、気持ちを新たに臨みたい。
まだリーガは残っている。
彼らは殆ど僅かなチャンスをものにした。
一方、僕らは何度もあったチャンスに決めることが出来なかった。
それが今日の違いとなって現れた。」
【
ビクトル・バルデス】
「とても残念だ。
レアル・マドリード以外の誰もが
カンプノウでのバルサの敗戦を見たいとは思っていなかった。
だけど、前を向くしかない。
後半は殴り合いのような展開となった。
僕らに同点ゴールが生まれても、
相手に追加点が入ってもおかしくない展開になった。
だけど、僕らは不運にもゴールを奪うことが出来なかった。
リードされたスコアボードを覆すことは難しい。
彼らは引いてがっちり守って来たし、
奪ってから素早く攻めるカウンターしか狙ってこなかった。
でもまだ多くのリーガが残っている。
今日は難しい日だった。
自信を持って、今日の試合を分析することが必要だ。
とにかく前を向いて進んで行きたい。
まだまだ巻き返せる。」
レアル・マドリード戦後、ジョアン・ラポルタ会長は
次のようにコメントしている。
「レアル・マドリードは非常に真面目な試合をした。
我々は何度かチャンスを作り出し、
ゴールを奪えるチャンスはあった。
しかしながら最後は我々が望んでいた結果を
導き出すことが出来なかった。
もう過ぎたことは忘れ、
相手との差を縮める為に、
努力しなければいけない。
落ち込んでばかりもいられない。
引き続きタイトルを目指して、
我々は戦わなければいけない。
ファンには今こそチームを支えてもらいたい。
チームは今、これまで以上にそれを必要としているのだから。」
レアル・マドリード戦後の記者会見に
厳しい表情と共に臨んだライカールト監督は
「この敗退は痛い。」としながらも、
「まだ残り試合はたくさんある。
何が起こるかは分からない。」と語り、
レアル・マドリードとの差が7ポイントに
開いたとは言え決して諦めていないようだ。
「バルサの夜ではなかった。」と表現したライカールト監督は、
この敗戦を乗り越える唯一の方法は
「自分自身の可能性を信じ、
希望と共に努力し続けることだ。」と語った。
また、レアル・マドリード戦の選手たちのプレーについては、
「選手たちは最後まで勝利を目指して戦っていた。」と語り、
選手たちの努力を労った。
ライカールと監督は、最も嫌なタイミングに
バプチスタにゴールを決められたと分析している。
「あのゴールは我々に大きなダメージを与えた。
試合の行方を大きく変えた。
我々も決定的なチャンスを得た時間帯だっただけに、
嫌なタイミングの失点だった。
マドリードはこのゴールで試合を有利に進めることに成功し、
ラインを下げて守りを固める戦略に出た。」
レアル・マドリードのプレーについて
問われたライカールト監督は
「マドリードはチームとして上手く機能していた。」と語ると同時に、
「統率の取れた形でラインを下げ、
カウンターアタック狙いの戦略を取っていたが、
それが上手く機能していたと思う。
我々を思い通りにプレーさせてくれなかった。
特に、我々のフォワードへのプレッシャーは
激しく上手く機能していた。」とライカールト監督は語り、
レアル・マドリードに対して賛辞を送った。
バルサの選手たちはレアル・マドリード戦後に
5日間のクリスマス休暇を満喫した後
29日の18時より再び練習を再会する予定だ。
なお、バルサの次の試合は1月2日に
カンプ・ノウで行われるスペイン国王杯のベスト32、
対アルコヤーノ戦の2ndレグだ。
今日は重要な試合というプレッシャーに負けていた
といっても過言でなかった。
勝つか負けるかで心境が変わるという心理に
バルサの選手たちのやることなすことが空回りしていた印象だった。
シーズン前、大掛かりな補強で今シーズンに臨んでいたが、
今のところチームは精彩を欠いていて、
バルセロニスタを落胆させているといってもいいだろう。
だが、まだここで諦めてしまっては
いつまでも状況は変わらない。
勝点差は7に開いたが決して諦めることではない。
選手首脳陣の慢心ぶりをよくここで反省して、
新年度また立ち上がって最後に笑えるようにしてほしい。
それが全てのバルセロニスタの望みなのだ。